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その昔、バッハの鍵盤曲といえば、宗教曲を除いて、チェンバロで弾くものと相場は決まっていたと思う。その当然あってしかるべきアプローチあるいはルールを破った確信犯は、他でもないグレン・グールドであろう。1955年のデビュー・アルバムであるバッハのゴルトベルク変奏曲は、バッハ演奏を根底から覆すほど革命的だったに違いない。その彼が、晩年、最後にレコーディングしたのも、ゴルトベルク変奏曲である。ゴルトベルクに始まりゴルトベルクに終わった人生である。

僕は、最後に録音したゴルトベルクをときどき聴く。55年のデビュー版は、CDショップでよく手に取るんだけど、なぜかいまだに買ってない。神聖なものに触れるような感覚があって、いつも敬して遠ざけてしまうのだ。

今回取り上げるのは、おなじゴルトベルグ変奏曲なんだけど、演奏家はグールドじゃない。平均律もゴルトベルクもグールド以外じゃ聴けなくなっていたのに、5、6年前、たまたま銀座ヤマノ楽器でマレイ・ペライアを試聴して、衝撃を受けたのだ。衝撃なんて、大げさだね、20年にわたるグールドの呪縛がようやく解けた瞬間だった。以来、ときどき通勤途上に聴いている。ペライアって大人しい雰囲気を醸し出しているけど、その演奏は火傷するほど熱い。

by naomemo | 2010-05-31 09:01



NHKBS1を観ていて知ったんだけど、アップルの時価評価額はすでにマイクロソフトを上回ってるんだね。iTunesっていう秀逸な仕組みをテコに、iPod、iPhone、iPadと、矢継ぎ早にヒットを飛ばしてきてるわけだから、好調なのは分かる。僕など、パソコンもマックだし、iPodもiPhoneを利用してるし、多大な恩恵を受けている一人である。

思い起こせば、創業者のスティーブ・ジョブズは、株主から突き上げられて長い間アップルから追い出されていたわけで、それが復帰して、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いまでになろうとうは。これは奇跡というほかない。現代のカリスマと呼ばれても当然だろう。

でも、ちょっと気になることがある。彼はtwitterで、「(アドビの)フラッシュは(ソニーの)ベータと同じ運命を辿る」などと発言したみたり、「これからは、アップル対マイクロソフトじゃない、アップル対グーグルだ」などと吠えてたりしてるのだ。なんとなく、先を急ぎすぎてるように感じられるのだよね。やっぱり身体がよくないんじゃないのかなあ。

それはそれとして、冒頭で触れた「時価評価額」ってのが、どうも気に入らない。企業の価値って、そんなにコロコロと変わるもんじゃないだろう。この考え方を変えないと、株式市場はいつまでも賭場であり続けるんじゃないだろうか。時価会計制度ってやつは、米国の金融が自由化の恩恵を受けて、どんどん肥大化していく時代に考え出されたルールなんだから、そろそろ見直す時期なんじゃないかな。強欲ウィルスの温床になってるんだと思う、これが。

by naomemo | 2010-05-27 09:15

タバコを止めて1年半


タバコを止めたのは、一昨年の11月11日のことだった。それまで何度も禁煙には失敗していたので、続けられるかどうか不安もあったけど、意外にすんなりと止められた。そこまでは良いのだが、その結果、1年で5キロほど体重が増えた。なにしろご飯がおいしくなるので、ついつい食べる量も増える。

なんとかしたいな。週1、2回のジム通いくらいじゃあ、体重は減らない。よし、走るか。でも、走り慣れていないのに冬場に外を走るのは、ちょっと無謀。ということで、昨年11月から、まずジムのメニューにランを加えた。ランとは言っても、以前書いたように、スロージョグである。温かくなったら外を気持ちよく走れるように、少しずつ続けた。関節を痛めないように、スローなフラット走法で週1回。

4月に入って温かくなったので、休日の朝、外を走ってみた。マシンの上を走るのとは全然違った。地上を走るのは、じつにシンドイ。でも、2週間ほどで脚が慣れてきた。5月に入って生活を夏時間に移行したのをキッカケに、一日おきくらいの間隔で平日の朝も走るようになった。だんだん身体が慣れて来て、いまでは早朝のランで一日が始まる感じになってきた。以前はただ歩いてただけなのにね。

それにしても、タバコを止めたことがキッカケになって、早朝ランまでやるようになるとはね。ささいな習慣の変更が、ここまで生活を変えることになろうとは、自分でも思ってなかった。でも、継続はチカラなり。怪我をしない程度に続けていこうと思う。なにしろ体調がいいから。

ただ、朝4時に起きてるので、夕方になると、もう一日が終わったような気分になる。アルコールの回りも良すぎて、すぐ酔っぱらう。アルコールが弱くなったのか、睡魔のせいなのか、いまのところ不明である。

ところで、日の出の時間に走り始めると、いろんな鳥たちのtweetが聞こえてくる。いま気になってるのは、スイーツ、スイーツ、スイーツって啼く鳥。あれ、なんていう名前の鳥なんだろう。

by naomemo | 2010-05-26 08:28


いよいよスペイン危機が勃発。ユーロ圏は、ソブリン・リスクがパンデミック状態に。これ、「ソブリン口蹄疫」と名付けたいと思う。米国も欧州(とくに南欧)も、日本が90年代に経験した、長く険しい「失われた10年」をこれから歩むことになるのだろう。社会不安も深まっていくだろうから、欧州への旅行もさまざまなリスクを覚悟しなくてはならなくなるね。

そういえば、宮崎の口蹄疫に関連して、種牛を離島や山間部に分散避難させるんだとか。当然の判断だろうと思う。以前「里山のリスクヘッジ」という切り口で、里山の農家の話に触れたけれど、同じ目線 で捉えられることだと思う。未読なら、そちらも読んでみてください。

つまりは、あまりにも生産性重視で、一カ所に牛を集めて、効率的な生育に邁進してきた結果、全滅状態になってしまうということだよね。短期的に良いことが、長期的にはマイナスになりかねないということでもある。一見、非効率に見えても、リスク分散、リスクヘッジの考え方を、里山の知恵に学んで組み込んでいく時期が来てるんだと思っている。

by naomemo | 2010-05-25 08:50

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しばらく映画館から足が遠のいていた。最後に観たのは「月に囚われた男」だったか「フローズン・リバー」だったか。スケジューラーを確認したら、なんと二ヶ月も空いてたんで自分でびっくり。きっと、「これ、観たい」と思える作品がなかったってことだろうな。

渋谷の映画館で予告編を観た韓国映画「息もできない」は、なんとなく気になっていた。なんとなく、だから、やっぱり見逃した。でも、新百合ケ丘のアルテリオにやって来たので、土曜日に足を運んだ。

暴力でしか自分を表現できないことへの苛立ち、その凶暴性が家族の血のなかにあることへの悲しみが、ヤン・イクチュンの身体から生々しく匂いたっていた。奇妙な云い方かも知れないが、懐かしのようなものを覚えた。この男、製作、脚本、監督、主演の四役をこなしている。ちょっと注目だね。



by naomemo | 2010-05-24 08:28

ようやく夏時間へ


3月半ばに、そろそろ夏時間へ移行するつもりと書いた。でも、今年の冬は長かった。というか寒い春が長く続いた。起床時間を1時間早めることなど、とうてい無理だった。でも、ようやく温暖になってきたので、5月初めから夏時間へ移行している。

これまでより1時間早めて朝4時起床。いまでは早朝のウォーク&スロージョグで一日が始まっている。気持ちいい。先週は5日間で合計30キロ。今週はいまのところ25キロペース。このままでは30キロに届かない。でも、どこかでカバーしようと走り過ぎるとケガにつながりやすい。脚がちゃんと出来るまでは、無理しないようにしようと思っている。

さて、「はじめての金読本」について少し。これまで初心者向け「金の教科書」ということに、こだわり過ぎていたかも知れないと気づいた。旬の話題は「足が早い」のでこれまで避けてきたのだけど、どうもそれでは面白みに欠けるなあと思うようになった。旬には旬だけが持つ匂いがあるよね、やっぱり。

ということで、早く腐ることを畏れず、「いま」をスパイスとして取り入れることにしました。毎週金曜日に更新しているので、興味のある方はどうぞ。右上のお知らせにリンクを貼っていますから。

それにしても、前日にアルコールを入れると、朝4時起きはけっこうキツいね。ほんと、眠い、今日は。

by naomemo | 2010-05-19 08:35


強いボクサーが出て来たという噂は耳にしていた。内山高志。でも、30歳。ちょっと年齢がいってるけど、どうなんだろうと思っていた。しかし、そんな心配などまったくの杞憂だった。

昨日、晩ご飯前にビールを飲みながらTVのチャンネルをサーフ(?)していたら、ちょうどボクシングの試合が始まるところだった。そのまま観ていたら登場してきたのが、その内山高志だったのだ。これは幸運という他ない。

驚いたのは、これからスパーリングでも始まるの?と思われるほど、彼の身体の周りには落ち着いたオーラが漂っていたこと。レフリーが二人のボクサーを呼んで、ルールを伝える。二人がそれぞれのコーナーに別れてしばらくして、ゴングが鳴った。

内山の軽やかでしっかりしたフットワーク。ときおり繰り出すジャブ、ボディへのアタック。無駄な動きがない。相手のパンチをとにかく食わない。上背もリーチもかなり違うのだけど、まったく気にしていないように見える。自分の距離を一定に保って動いている。じつに沈着、そして冷静。こんなボクサーを観たのは、ひょっとしたら初めてかも知れない。

5回に一発アッパーを食らった。初めて食らったパンチじゃなかったかな。6回に入っても、冷静に一定の距離を保ち、ときおり鋭く詰めては、ボディへ、顔面へパンチを繰り出す。結末は呆気なかった。テンプルへの右フック一発で、ジ・エンド。

試合後のインタビューも冷静そのもの。信じ難いほどの冷静さ。いまちょっとだけ走ってきましたというくらいに。

ようやく日本にも現れた、心技体がきっちり揃った大人のボクサー、内山高志。いっぺんにファンになってしまった。試合終了後、ツイッターで呟いたら、すぐに反応があったよ。ほんとに心の強いボクサーである。注目すべし。

by naomemo | 2010-05-18 07:52


金価格が跳ねて、ふたたび新高値を付けた。今回の上昇は、これまでとは少し意味合いが異なるように見える。なぜか。FRBに続いてECBが各国の国債を買い取ると発表したことがインパクトになったからだ。そんなにお札を印刷しちゃって、ほんとうに大丈夫なんだろうか、と、みんなが心配し始めたということだからだ。そうか、お札って、印刷物なんだという事実に、あらためて目が向いた、と言ってよいのかも知れない。

2001年から始まった過去10年間の金価格上昇は、あくまでも助走に過ぎなかった。と、10年後の2020年の新聞に書かれることになるかも知れない。以前、このブログで、「金と千両箱」という原稿を書いた。時間があったら再読してみてください。こちらからどうぞ。

by naomemo | 2010-05-12 07:57

キースからドビッシーが

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先週、ときどきお昼を食べている店で、キースのスタンダーズを聴いた。いいなあと思い、昨日、キースを大人買いし、自宅デスクで原稿を書きながら、ずっと聴いていた。いまも事務所のデスクでiTunesから流れてくるケルン・コンサートを聴いている。しばらくヘビロテになりそうだ。

数十年ぶりに聴いた昨日など、なんだか泣けそうになって困った。なんていえば言いのだろう、不思議な波動に包まれているような感覚。学生の頃、いったい何を聴いてたんだろう…。

そして今朝は、パート1を聴いてて、えっ!と。何が「えっ!」なのかといえば、この頃のキースは、きっとドビッシーにハマってたに違いないという気がしてきたからだ。新しい発見をしたような気分。しばらく聴き続けることになりそう。

by naomemo | 2010-05-10 08:14

あかん、これは。




傷ついた相棒に、心臓マッサージしてるよ。あかん、これは。

by naomemo | 2010-05-07 11:22