久しぶりに金の話。以前よりベトナムで金人気が沸騰していたことは知られていたが、昨日の日経によれば、そのベトナム政府がついに金取引所を閉鎖したということだ。かの国は過去に何度も激しいインフレに見舞われ、それゆえ自国通貨ドンの人気が薄かった。インフレ率がとにかく高いため、住宅価格までが、自国通貨ドンでの表示じゃなく、金の重量で表示されている地域もあったほど。驚いちゃうかも知れないけど、ほんとの話なのだ。

日経の記事は、外貨準備の少ないベトナムのような新興国では、今後こうした事態が続くのではないかというニュアンスで結んでいるが、たしかにありうることかも知れないね。取引所を閉鎖したからといって、金人気が鎮まるわけもないだろうに。これから、新興国における金人気の動向に、要注目かもね。ひょっとすると新興国だけじゃ済まない知れないけれど。

元祖基軸通貨としての金は、これからどうなっていくのか。これまで世界は、「自由化」「規制緩和」を合言葉に成長してきたけれど、世界バブル崩壊で流れが変わりつつあり、「規制強化」へ戻りつつあるようにも見える。そもそも規制緩和の流れは、「金の自由化」から始まったことでもあるので、ベトナムの金取引所閉鎖の記事は、とても気になりました。

by naomemo | 2010-03-31 08:47 | ノン・カテゴリー

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以前ここでも取り上げたけれど、やっぱり「ザ・コーブ」の影響が出てきた模様。太地町のイルカ漁に対して、国内からも抗議が殺到しているらしい。こういうのは、見ていて、ちょっと辛い。もう少し、あとさきを考えて欲しいものだ。

動物愛護の精神も分からないわけじゃないけれど、行き過ぎると、かえって仇になりかねない。米国映画「ザ・コーブ」は、政治的プロパガンダの匂いが強い。まっとうなドキュメンタリー映画とは考えない方がいい。そもそも食文化というのは、民族や地域によって相違があるものだ。その文化的な違いを無視した一方的な主張には、一定の距離をおくのが大人の対応だと思う。

そういえば、ダニー・ボイル監督作品に、動物愛護がもたらす問題を皮肉たっぷりに取り上げた「28日後…」ってのがあった。ゾンビ映画なんだけど、けっこう文明批評的な視点があって面白い。



by naomemo | 2010-03-29 08:03 | シネマパラダイス

蘇我馬子の墓



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今日も、ちと寒い。どうやら終日雨模様になりそう。こういう日は、集中して仕事すべし。

さて、友人のブログ(ロクシタ)に、蘇我馬子の墓と考えられている石舞台古墳の写真が紹介されていた。それが上の写真。それを見ていたら、昔どこかで読んだ墓石についての話が、ぽっかりと浮かんで来た。記憶が不確かなんだけど、墓石って、そこに葬られた人が化けて出てこないように置かれるものだと書かれていたと思う。それって、つまり、魂を鎮めるためのもの、ってことだよね。

そう思って、もういちど写真を見ると、馬子の魂が絶対にこの世に舞い戻ってこないように、重い石で封印されているように思えてくるから不思議だね。誰が作ったのか知らないけれど、馬子に化けて出られるのが、よほど怖かったんだろうね。なんだか興味が湧いてくるな。

ロクシタの作者、竹内さんの話によれば、石舞台古墳は石室になっていたという。で、その内部から撮られた写真がこちら。これもわざわざ送ってきてくれたのだ。竹内さん、ありがとね。

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ところで、彼女が聞いたところによれば、墓に石を乗せるのは、獣に遺体を喰われないように、ということらしい。いろいろな説があるものだね。ああも考えられるし、こうも考えられる。いろいろ思い巡らせるのって、愉しいね。かんたんに答えが出ては、面白くもなんともないからね。

ちなみに、この石舞台古墳は横穴式石室をもつ方形墳で、築造は7世紀初めなんだって。誰のお墓なのか、じつはまだ確定されていないらしいけど、6世紀後半この地で権力をにぎっていた蘇我馬子の墓ではないかと推測されているというわけだ。天井の石だけで、北側が約64トン、南側が約77トン、使われている石の総重量は、2300トンだという。これは重い。いくら出てきたくなっても、さすがに無理だったろうね。

なお、ロクシタへは、上の写真からワープすることができます。

by naomemo | 2010-03-25 08:22


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クラシカルの演奏家の間で、タンゴというかピアソラが注目されたのは、いつ頃だったろうか。数年の間に、矢継ぎ早にCDが発売され、ちょっとしたブームになった。なかでもサントリーのCMに使われてヒットしたのが、ヨーヨー・マの「ソウル・オブ・ザ・タンゴ(タンゴの魂)」。当時、何度も何度も聴いた。

その後で聴いたのが、ギドン・クレーメルの「ピアソラへのオマージュ」。クレーメルの熱の入れようは相当なもので、1枚だけではもの足りず、「オマージュ」シリーズ3枚と「天使のミロンガ」で合わせて4枚も出している。ただ、彼の演奏は、ピアソラというより、ピアソラの音符から紡がれたクレーメルの絶対零度の音楽とでもいうべきものになっている。

もう一枚、忘れちゃいけないのが、ブームの火付け役となったバレンボイムの「わが懐かしのブエノスアイレス」。名指揮者であり名ピアニストでもあるクラシカルの重鎮バレンボイムが、なぜタンゴなの?と初めは疑問に思ったけれど、えっ?これ、ほんとにバレンボイムなの?と、聴いてビックリ。もう正真正銘、タンゴなのだ。どうしてこんな演奏が…。それもそのはず、彼はブエノスアイレスで生まれ、その地で9歳まで、クラシックだけじゃなく、タンゴもたっぷり聴いて育ったのだった。

ほんと自然体の演奏です。普段着で、タンゴの名曲を、じつに愉しく演奏してるって感じ。ピアノ:バレンボイム、バンドネオン:メデーロス、コントラバス:コンソーレ。このCDを手に入れて、14、5年になるけれど、いまだにときどき聴きたくなるんだよね。

by naomemo | 2010-03-24 08:31

亡父の俳句 とお墓参り


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昨晩は、連れ合いの実家に兄弟姉妹が集まり、母を囲んでの食事会。おいしい手料理とワインと愉しい話に酔った。時の経つのを忘れた。夜も更けてお開きとなり、玄関で靴を履く段になって気がついた。上の写真。亡父、次郎さんの俳句。

春の鹿 乱心の瞳を もつことも  次郎

「高西風」など、どの句集にも、こういう妖しげな句は入っていなかったような気がする。なんだか知らない顔を見たような気がした。久しぶりに次郎さんの句集を読み返してみようかなと思った。

しばらく眺めていたら、大学生になる姪が、「おじさん、この俳句、どういう意味なんですか?」と訊いてきた。咄嗟に、「もう少し大人になったら分かるんじゃないかな」と応えた。すると、彼女も携帯カメラを構えながら、じっと見ていた。

そのうちニッコリ笑いながら近づいてきて、こう言った。「なんだか少し分かったような気がします」。まだまだ子供と思っていたのに。

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今朝は、鶴見の總持寺へ。亡父のお墓参り。お墓からの帰り道、廊下をスススススーッと渡って行くお坊さんたちの姿が目に留まった。

by naomemo | 2010-03-21 22:03

映画から落語の話まで

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花の名前に疎いのだけど、この花、ハナニラというらしい。今朝、野草辞典を見ていたら、ハナニラには白い花が多いようなのだが、これは薄紫で美しい。つい先日、連れ合いが多摩川で撮ったもの。

さて、一昨日、久しぶりに映画業界の友人とご飯を食べながら、くつろいだ時間を過ごした。やっぱり映画作品の話が中心になったんだけど、外からは伺い知れない業界事情もいろいろ聞けた。差し障りのないところでいえば、最近、洋画DVDがまったく売れなくなったんだとか。激減だという。その影響もあってツタヤの店舗展開も縮小傾向にあるという。景気が悪いってこともあるだろうし、BS、CS、ネット配信に押されてるってこともあるんだろうね。そういえば、我が家の最寄りのツタヤも、先月、撤退したのだった。

それで、ツタヤはいまTポイントカードに軸足を移しつつあるんだとか。最近あちこちで、Tポイントカードはお持ちですか?と訊ねられるシーンが増えてきて、なんだろうねえ、これは、と思っていたんだけど、そういう背景があったんだね。おぼろげながら、ようやく少し見えてきた感じ。経営母体のCCCは、ツタヤ事業に集中していた経営資源の分散を図ってるんだね。Tポイントカード事業の拡大にこれまで以上にチカラを入れようってことか。ま、ツタヤ事業そのものも店舗からネット配信へ軸足を移しつつあるのかも知れないけれど。

一方、洋画配給市場では、これからは地方の掘り起こしが一つのテーマになってきたという。これまでのようにDVDで稼げた時代は終わったので、これから映画は地方でヒットしないと、やりくり出来ないんだとか。そして、その地方のマーケットでは、とにかく分かりやすさが重要になると。これまでの都会のコアの映画ファンに伝えるようなコミュニケーションのやり方では通用しない。ここでは詳しくは書けないけれど、地方のマーケットを掘り起こす手法が磨かれれば、これは意外に都会に持ってきても通用することになるのかも知れない。分かりやすさ、伝わりやすさは、高齢化社会ではとくに重要になるのかも。ヒントはあちこちに転がってるもんだね。

そういえば、落語家の古今亭志ん朝は、弟子達に向かって、こんなニュアンスのことをよく言っていたという。「お客さんは、行きたがってるんだよ。だから行かせてやんなくちゃいけなんだよ。それをクサイとかダサイとか言ってやらないお前たちの方が、クサイんだよ」。うーん、深いわ、やっぱり。行きたいから寄席に足を運んでるんだよね、客は。ここ一番で、水戸黄門が印籠を出すみたいに、笑わせてくれたり、泣かせてくれたりしてほしいんだよね、客としては。分かりやすい決まり事なんてものも、けっこう大事なことなんだね。

ということで、これにて今日はお仕舞いです。では、よい週末を。このお休みは温かそうだし、桜もちらほら咲きそう。お彼岸なので、我が家も鶴見のお寺へお線香あげに行きます。

by naomemo | 2010-03-19 09:00 | ノン・カテゴリー

そろそろ夏時間へ


ようやく寒さも弛み、春が目の前までやって来ました。このぶんなら、この週末あたりから桜も咲き始めるかも知れませんね。今日はちと気温が下がっているけれど、これからは一段、一段、階段を上るように温かくなっていく。

そうなれば、そろそろ夏時間。寒い冬のあいだ、ずーっと5時起きだったので、週末あたりから4時半起きへシフトしてみようかな。いきなり1時間のシフトはストレスがかかりそうなので、まずは30分。無理なくシフトできればよし、まだ無理そうなら少し先延ばしすればよし、と。かなりアバウトに考えてます。なんのために?早朝のウォーキングで気持ちよくなりたいから。ま、今年はスロージョグにするかも知れないけれど、そのあたりもアバウトに考えてます。

あ、いや、そうじゃなかった。そういえば先週末、近所のスポーツ109の店内をブラブラしていたら、なんだか良さげなシューズが目に留まった。なんかいいじゃんコレと、春からのスロージョグ用に新調したのだった。ニューバージョンが出たとかで半額になってたこともあって、衝動買いした。やっぱ、スロージョグにしないとね。

さて、1月に立ち上げる段階からときどき紹介してきた「はじめての金読本」ですが、今月5日にワールド・ゴールド・カウンシルの豊島さんがネットでご紹介くださったことで、読者が一気に増えました。最初の数日は、まるで大津波のような状態。このところずいぶん落ち着いてはきましたが、それでも毎日300人から500人くらいの方が来てくれます。おかげさまで一両日中には50000pv越えが確実になってきました。感謝です。

何人かの友人たちからも「金読本を読み始めたよ」というメールが入るようになりました。「とても分かりやすい」と言ってくれます。口の悪い友人たちにそんなこと言われると、やっぱりうれしい。ポン、ポン、ポンッと、背中を叩かれている気分です。

でも、ここだけの話、はじめてのひと向けの金読本って、ほんと難しいですね。ひとつの原稿を、何度も書き直したりしています。こちらのブログは思ったことを書けばいいからラクだけれど、金読本はなかなか歯ごたえがあります。スポンサーがいる訳じゃないのにね。ま、そういう難儀さもしっかり楽しんではいるんですけどね。では。

by naomemo | 2010-03-17 08:40



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今朝、いつものように半蔵門線から新副都心線への乗り換えで渋谷の地下通路を歩いていたら、壁面に写真がずらーり。笑顔、笑顔、笑顔の連続。なんだか気持ちがほぐれました。いいもんだね、笑顔って。

さて、さきほど金読本を更新しました。こちらからどうぞ。

by naomemo | 2010-03-15 08:50


一昨日、米国アカデミー映画賞でドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーブ」の話題に触れたけど、今日は中国批判のニュース。

フランスの公共テレビ局フランス2が、「犬を食べる」という中国の食習慣を批判的に取り上げたそうだ。ザ・コーブが、和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に取り上げたのと、おなじ匂いを感じる。どうも自分たちの立ち位置が正しくて、アジアや中東の「遅れた地域」はヘンだよ、という視線を感じる。相手が新興大国中国ということで、控え目な批判のようだけどさ。

それにしても、彼らは、環境問題では一貫して「生物多様性」という表現を声高に使ってるんじゃなかったっけ?

アジア景気の立ち直りが比較的早いのに比べ、欧米の景気がいっこうに改善されていないという環境が、こうしたアジア批判の背後に見え隠れしているような気がしないでもない。内側の批判を、外側に向けることで、内側のガス抜きをする。社会が不安定になると、この手のことがよく起きることは、過去の歴史が教えてくれている。

太地町のイルカ漁法も、たしかに、もう曲がり角に来ているのかも知れない。けれど、「ザ・コーブ」の日本公開が迫ってくると過熱するであろう報道に、あまり振り回されないようにしたいものだね。

by naomemo | 2010-03-11 08:47


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今朝のNHK BS「おはよう世界」を見てて知ったんだけど、英国では「イタドリ」という外来種の植物による被害が拡大しているそうだ。生命力が旺盛で、いわば琵琶湖に放たれたブラック・バス状態になっているってことだね。以前なら薬剤を撒布して生育を止めたり、被害拡大を防いだりしたのだろうが、環境への配慮から、別の方法が模索されていたという。

そこで、白羽の矢が立ったのが、もともとイタドリと同じ環境にいたイタドリの天敵。その名はといえば、イタドリ・マダラ・キジラミ。あれ、なにそれ、日本語じゃないの?と思うでしょ。そう、英国から見た外来種イタドリとは、もともと日本から持ち込まれたものらしいのだ。それが大繁殖して生態系を狂わせているのだ。だから同じ環境出身のイタドリの天敵で繁殖を止めようというわけだ。

ただ、番組キャスター高橋弘行氏によれば、以前、南米だったかで同種環境の生物を利用した生態系維持対策を打ったところ、こんどは対策に使った生物が大繁殖して別の被害が拡大した例もあるという。環境とか生態系ってのは、ほんとややこしいんだね。いちど狂うと、なかなか元に戻れない。これ、なにかに似てるね。

このニュースを聞いてて、ふと浮かんで来た言葉が、経済生態系。そんな言葉があるのかどうか知らないけれど、生物に生態系ってものがあるのなら、人間にだって生態系はある。経済はもちろん、社会のあり方、金融のあり方、会社のあり方、文化のあり方、すべてに渡って生態系はあるんじゃないかと。これからは、そういう発想もありなんじゃないかと。これについては、もう少し考えてみようと思う。

さて、今週の一枚。ちょっと強引かも知れないけれど、英国の話題ということで、1999年にリリースされたSTINGのBRAND NEW DAYです。宇宙的な感覚が漂うA Thousand Years、中東の香りが濃いDesert Roseなど、名曲ぞろい。昨日から久しぶりに電車の中で浸っている。じつに心地よいアルバムです。

それにしても、このアルバム、世界がひとつの転換点を迎えた1999年のリリース。そしてアルバム・タイトルがBRAND NEW DAY、新しい日。もちろん偶然に違いないだろうけど、なんだか象徴的。

by naomemo | 2010-03-10 08:45