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金保有の目安は

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はじめての金読本、移植第12弾です。2010年03月15日に公開した原稿に手を入れたものです。金と付き合うための指針、第三弾です。

金はどれくらい持つのが良いでしょうか、と聞かれることがあります。その問いについては、財産の1割、せいぜい2割が妥当と答えることにしています。とはいえ、必ずしもそこに明快な根拠があるわけではありません。あえて根拠らしきものを求めるとすれば、世界の中央銀行の外貨準備に占める金準備の割合が平均すると1割程度になる、というあたりでしょうか。

もうひとつ。金は「万一のために備える保険」のようなものですが、あまり保有比率を高めすぎるとどうしても価格動向に目が向きがちになります。しかし日々の値動きなどを気にしていては、安心の種であるはずの金保有が心配の種になってしまいかねません。これで本末転倒になってしまいます。金読本の指針としては、やはり財産の1割程度が基準になるだろうと考えています。ゆっくり時間をかけて1割へ近づけるのがいいでしょう。

ところが世の中にはもっと保有したいという向きもあります。2割くらい持ってはいけないのだろうか、などという質問を受けることもあります。しかし、そのあたりは人それぞれの考え方次第なので、ご自分で判断した方がいいと思います。ただ、これだけは云えそうです。2割持ちたいとか、3割持ちたいという人は、将来への不安がそれだけ大きいということです。将来に対する不信感が強い人は、概して多く持ちたがる傾向にあります。ですから、金の保有比率に対する処し方が、そのまま自分自身の世の中に対する不信感度を測る物差しになると云えそうです。

そもそも肝心の金の評価額のもとになる金価格からして、日々上がったり下がったりしています。金の保有比率については、あまり神経質にならない方が精神衛生上もいいのではないでしょうか。

なお、財産のなかに現在お住まいの自宅を入れてはなりません。たしかに法的には住まいも財産としてみなされますが、それはあくまでも生きて行く上での拠点であって、財産とみなすべきものではないはずだからです。目安は、自宅を除く財産の1割程度と覚えておきましょう。


イラスト:三井孝弘さん



by naomemo | 2015-04-10 10:48 | →はじめての金読本