国際金価格と国内金価格


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はじめての金読本、移植第8弾です。2010年02月05日、02月12日に公開した原稿に手を入れたものです。

金は、太陽の動きを追いかけるかのように、世界のどこかの市場で取引が行われています。シドニー、東京、香港、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークという具合に、時差を追って取引は受け継がれていきます。さらに、インターネット上の取引が主流になった現在、「NYグローベックス」という電子取引システムがほぼ24時間稼働しており、金価格は、休日を除いて、ほとんど眠ることなく動いています。

ところで、一般に金価格と云う場合、ふたつの側面で捉えておく必要があります。ひとつは国際的に取引される際の金価格(国際金価格)であり、もうひとつは特定の国や地域で取引される際の金価格(国内金価格)です。それぞれ、グローバル金価格、ローカル金価格と呼んでも良いかも知れません。

国際金価格の方は、基軸通貨である米ドル建てで表示されます。この場合の重量単位はヤード・ポンド法のトロイオンスtoz(略してオンスoz)で、具体的には1,200ドル/ozというように表示されることになります。(※)

一方、国内金価格の方は、ドル建ての国際金価格を各ローカル通貨建てに換算して表示されます。英国であればポンド建て、ユーロ圏であればユーロ建て、中国であれば人民元建て。そして日本の場合は円建てで表示され、重量単位はメートル法のグラムとなります。

つまり日本における国内金価格とは、国際金価格をドル円為替レートに基づいて円建てに換算し、同時に重量単位をトロイオンスからグラムに変換して、グラムあたりの円建て金価格で表示されるわけです。その結果、5,000円/gというように表示されます。

こうした仕組みから分かるように、円建ての国内金価格は、米ドル建ての国際金価格に連動して動く一方で、ドル円為替相場によっても動きます。したがって、国際金価格が下がっても、為替がドル高円安に動けば、国内金価格はあまり動かない、というようなことも起きるわけです。国際金価格が上がり、なおかつ為替がドル高円安に動けば、国内金価格は大きく上がります。もちろん、その反対のケースもあります。

もう一歩だけ踏み込んでみましょうか。ここまで見てきた通り、国際的に取引される金の価格は米ドル建てです。これを日本人の立場から見ると、つまり、金にはドル建ての外貨資産の側面があるということです。この点はとても大切なので、別の機会に詳しく紹介します。

ここでは国内金価格は為替にも大きく左右されると覚えておいてください。


イラスト:三井孝弘さん


(※)
トロイオンスとは、貴金属の計量に用いられている特殊な単位で、別名を金衡オンス(きんこうオンス)ともいいます。グラム換算では、1toz=31.1034768gとなります。



by naomemo | 2015-03-13 07:00 | →はじめての金読本