キツネの物語から歴史まで

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友人のブクレコにあった「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」を読んだ。著者は内山節(うちやまたかし)。この在野の哲学者のことは知らなかったけれど、タイトルが気になって手に取った。

自然のなかで生きてきた日本人の世界観は、なぜ1960年代に大きく変貌したのか。さまざまな角度から見つめ、考えている書だった。じつに面白かった。そして悲しくもあった。こういうアプローチは好きだな。すっかり内山節のファンになってしまった。

ところで、この本のタイトルを見て最初に浮かんだのは、古今亭志ん朝の言葉だった。生前、落語のどんなところが好きかと聞かれ、こう答えている。「狐や狸が出て来るところ」と。

この志ん朝のエピソードは以前紹介したことがあったけれど、内山節の本を読んだ今になって振り返ってみると、こういう意味だったんだなと思い直した。「狐や狸にだまされる話が出て来るところ」と。

by naomemo | 2012-05-17 11:18