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ダビデの星型ワッペン

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これまで欧州系の映画を観ている時に、おそらく何度も目にしていたに違いない。けれど、あまり気に留めてこなかったことがある。それが何かといえば、ダビデの星型ワッペンの存在。

先日観たフランス映画「サラの鍵」に、少女サラが収容所を脱走する際ワッペンを胸元から引き千切るシーンがあり、思わず息を飲んだのだった。

第二次大戦当時、欧州のユダヤ人たちは、外出の際、ダビデの星を模したワッペンを胸に付けることを強制されていたのだった。一目でユダヤ人と区別できるように、刻印を押されていたようなものだ。

もうひとつ改めて感じたこと。当時のユダヤ人排斥は、ナチだけが行ったことのように思われているけれど、実態はそうではなく、間違いなく欧州の総意だったのだろうと思われることだ。

国が内向きになると、土地を持たず、国境という発想を持たない民族は、排斥の憂き目に会う。これは歴史の教えるところだ。数年前からフランス国内で始まっているというロマ(ジプシー)の排斥も同様の文脈だろう。

とすると欧州に相当数いると思われるトルコ人はこれからどうなるんだろう。EU加盟を前提に安価な労働力として受け入れられてきたけれど、肝心のEU加盟は進んでいない。なんとなく気になるね。

経済原理だけで移民推進を唱えてる人がいるけれど、こうした状況を見ていると、それがいいこととは俄かには思いにくい。




by naomemo | 2012-02-23 15:15 | シネマパラダイス