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大相撲の野球賭博問題


少し前から大相撲の野球賭博が問題になっている。マスコミも一斉に取り上げているが、どうにも釈然としないところがある。魚の小骨が喉に引っかかってるような気分とでも言えばいいだろうか。そんなに大騒ぎすることなんだろうか。

神事としての相撲の歴史は古代に遡り、平安時代には宮中の重要な儀式になっているようだ。そして江戸時代には職業としての相撲が始まったようだ。つまり、興業としての相撲にはきわめて長い歴史があり、善くも悪くも、社会のさまざまな階層との結びつきは深いだろうということだ。今回の問題は、そのことと無関係ではないだろう。相撲という行事は、歴史や伝統に深く根ざしていることなので、簡単に善し悪しを判断できることではないと思う。

もうひとつ気になるのが、「賭博」そのものが犯罪なのかという問題である。競馬、競輪、ボート、TOTOくじなどは、どれだけ賭けてもOKなので、賭博そのものが犯罪というのには当たらない。そうだよね?内輪での賭け麻雀もよく行われているようなので、これも犯罪ではないのだろう。最近は知らないが、少し前まで新聞記者の間でも賭け麻雀は日常茶飯事だったようだし。おそらく刑事たちの間でも行われていただろうし、いまも行われているかも知れない。皆さん大人なのだから、なにも目くじら立てることでもあるまい。

では、なぜ野球賭博が犯罪なのかといえば、ヤクザの資金源になるから、と説明される。でも、ほんとにそうなのかな。そこがそもそも疑問なのである。それはつまり、公認じゃないから、ということじゃないのだろうか。極端な言い方をすれば、公の懐に掛け金が入らないから、と言えなくもない。公認になれば、おそらく野球賭博だってOKのはずだ。TOTOくじの野球版とかね。

少なくとも現在までの報道を見る限り、親方や力士だけが責めを負っているようだけれど、トカゲの尻尾切りにしか映らない。もし、この問題に潜む「悪」を排除しようとするなら、攻め筋が違うように思う。まずは親方や力士じゃなく、その背後にあるものを抉り出すことじゃないかな。ま、こんなこと、賭け事をしない私が言うことじゃないかも知れないけどね。

by naomemo | 2010-07-05 08:50