懐かしくも悲しいSF作品

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先日、ソニー・ピクチャーズの試写室を見せてもらった。じつに贅沢な空間だった。ゆったりした椅子の座り心地もよし。長く座っていても疲れないだろうね。ほんと、カンフォタブルだった。ピーコさんもいらしてた。

そして、4月公開予定の「月に囚われた男」も堪能させてもらった。もともと公開されたら見る予定でいたから、これはもう僥倖というほかない 。感謝。未公開なので、感想メモはサワリだけにしておこうと思う。

舞台は、月の裏側にある希少資源ヘリウム3の採掘基地。その基地に派遣されているのは男一人。その名はサム・ベル。契約期間は3年。仕事の内容は、一日一回、採掘されたヘリウム3をポッドに詰めて地球に送る作業のみ。それ以外の時間は、筋力トレーニングをしたり、マシンの上を走ったり、家族が住む町のミニチュアを作ったり。じつに孤独な時間、孤独な空間である。よく気が狂わないものだと思うけれど、それもあと2週間で契約終了となり、地球に帰還する予定だ。

その、残り2週間になって、基地の外で事故を起こす。どうやら体調不良が原因のようだ。ここから物語は思わぬ方向へ展開していく。

コンピュータのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)が話相手にはなるし、遠く離れた家族の映像が心のよすがになるのだけれど、3年間も地球の裏側の基地に一人で暮らす孤独とは、どのようなものなのだろうか。そして、その孤独は、心と身体をどのように蝕むものなのだろうか。その孤独な3年という歳月によって擦り切れたサム・ベルと擦り切れる前のサム・ベルを、見事に演じ切っていたのは、「グリーン・マイル」や「ジェシー・ジェームスの暗殺」で代替の利かない演技を見せていたサム・ロックウェル。彼なくしては、この作品の印象はずいぶん違ったものになったかも知れない。それほど素晴らしい演技だった。しかも、彼はこの作品のなかで、一人三役をこなしているのだ。

それにしても、なんて悲しい物語なんだろう。

この懐かしくも悲しい作品の若き監督は、ダンカン・ジョーンズ。わずか5億円という予算で、したがって手作り感覚満載で、これだけのものを作りあげた力量は賞賛に値する。調べればすぐ分かることだからメモしておくけれど、彼は、あのデヴィッド・ボウイの一人息子でもあるのだった。



by naomemo | 2010-03-05 07:40 | シネマパラダイス