美術品返還運動から見えてくること。

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エジプト考古最高評議会のザヒ・ハウス事務局長が、ベルリンの博物館に対して、収蔵品である「古代エジプトのネフェルティティ王妃の胸像を返還せよ」と要求しているそうだ。

ザヒ・ハウス事務局長には、以前、ルーブル美術館から古代エジプトの「王の石柱」の返還に成功した実績があることから、今度も奪還するのではないかと見られて注目されているわけだ。

美術品返還要求の声を上げているのは、エジプトだけではない。ギリシャ、ナイジェリア、そして最近は中国なども美術品返還要求の動きを強めているようだ。これから声を上げ始める国も出てくるだろう。

大英博物館、ルーブル美術館、ペルガモン博物館、エルミタージュ美術館、メトロポリタン美術館などの所蔵品には、帝国主義時代に略奪してきたものが相当数含まれているから、どう応えていくのだろうか。これから要求はさらに拡大していくことは間違いないから、アタマが痛いだろうな。

それにしても、強欲なマネー資本主義が破綻し、これまで世界をリードしてきた欧米先進国の地位が相対的に低くなるなかで、こうした動きが出てくるのは象徴的だね。気候変動の枠組みが議論されたCOP15の報道を見てても感じたけど、欧米主要各国だけで世界を動かす時代は終わったってことだね。

世界の重心は、ただいま西から東へ移動中。そしてさらに、北から南へも移動中。混沌はまだまだ続く。しっかりとリバランスするのに、さて、どれくらいの年月がかかるのだろうか。


画像出典:ウィキペディア「ネフェルティティの胸像」

by naomemo | 2009-12-22 09:05 | いまを読むノート