ハリウッドから分散する映画産業


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米国を代表する映画産業の街として知られるハリウッドが、不況の波に飲み込まれているようだ。

今朝の朝日新聞によれば、ハリウッド映画の制作費の平均は一本あたり約64億円にのぼるとか(ロサンゼルス経済開発公社調べ)。米国で長く続いたバブル経済を背景に、近年とくに出演料や制作費が高騰していたことが大きな要因のようだ。

その莫大なコストを回収するための帰結として、とにもかくにも大勢の観客に受ける作品が良い作品とされ、マーケティングで映画が制作される傾向が強くなった。冗談じゃないよね。当然のことながら、作家性や作品の質は二の次となり、質の低下が顕著になった。

そこに100年の一度の不況の波が押し寄せ、二つのニーズが出会った。ひとつは巨額のマネーが動く映画産業を誘致したいという全米各州のニーズ。もうひとつは割高なハリウッドを離れて制作コストの削減に動きたいという映画会社のニーズ。全米各州が補助金の提供したり税優遇制度の設置したりして誘致にしのぎを削っているという。

たとえば車産業衰退に直面するミシガン州では、産業の多様化が急務ということもあって、ゼネラル・モーターズ所有のビルが映画スタジオに変身中とか。同州のとある高校では新設したキャンパスをテレビ番組の収録に提供しているとか。なんだかヘンな話だけど、そうなんだね。

ちなみに同じ英語圏である英国ではどうか。いくつかの情報から勘案するに、制作費の平均は一本あたり10億円程度だろうと思われる。ハリウッドの1/6である。ところが、作品の質については英国作品の質の方が圧倒的に高い。好みもあるので判断が難しいところだが、少なくとも僕はそう思っている。昨今のハリウッド映画は、あまりにも幼稚なものが多いのだ。大金を投下することが、かえって首を締める結果になっているね。お金さえかければいいってもんじゃない。これも強欲のツケに違いないね。

by naomemo | 2009-10-28 12:45 | シネマパラダイス