洋画離れが、深刻だ、というけれど。



昨年から日本では急速に洋画離れが進んでいると聞く。映画業界に住む友人の話によれば、その落ち込みは半端じゃないという。一人の映画ファンとしても気になるので、ちょっと思いを巡らせてみたい。

映画館やら映画DVDに関する市場データがどうなっているのか知らないが、見聞するところによれば、とくに若者たちの洋画離れが顕著のようだ。その一方で、邦画は数年前から元気だという。いったいなにが起きているのだろう。

映画館全体が元気ないというなら、薄型テレビ普及の加速、レンタルショップのネットワーク拡大、DVD化までの期間短縮、シネコンの過剰出店などが理由に挙げられるだろう。でも、邦画は元気だというのだから、理由は別のところにありそうだ。

字幕が敬遠されているのではないかという意見もあるようだが、それが今回の急速な洋画離れの理由とは考えにくい。だって、いきなり1年前から字幕が総スカンを食らうなんてことは考えにくいもんね。消費不況による節約ムードというのも、大きな背景ではあるだろうとは思うが、洋画離れそのものとは直接には結びつきにくい。

ひょっとしたら、金融危機を通じて見えてきた、米国(とくにニョーヨークの金融だけど)の強欲に対する嫌悪感が芽生えているのかも知れない。つまり、反感ってやつだね。あるいは、世界中が大不況にあることから、内向き志向が台頭しつつある兆しということは言えるかも知れない。その意味で、こうした傾向は、日本だけじゃなく世界的に見られることなのかも知れない。

もうひとつ。特別な根拠はないのだけれど、月2、3回の頻度で映画館に足を運んでいる映画ファンの一人として言わせてもらえば、「洋画離れ」とは、すなわち「ハリウッド離れ」なんじゃないかという気がしないでもない。たとえば英国の映画と比較すると、ハリウッド映画の投下金額は一桁は違うだろう。それだけの大金を投じているにも関わらず、昨今のハリウッド映画の質の低下は著しい。強欲のツケが、ここでも回ってきたということかも知れない。

でも、どうなんだろう。輸入される映画を「洋画」という括りにせず、国や地域別に見直してみたら、新しい芽を感じ取れるかも知れないね。こういう時期だからこそ、手間ひまかけて、細やかな動向をウォッチすることが必要だろうと思う。

by naomemo | 2009-06-09 07:05 | シネマパラダイス